下の写真は、ダム、堰(せき)、水門のうちどれでしょうか?
正解は、「堰(せき)」です。
これを見た目で判断するのは難しいと思います。
この記事では、川にある建造物でダム、堰(せき)、水門は、どのような違いがあるのか、その判断基準をご紹介します。
堤高の違い
” 河川法の第三款第四十四条ダムに関する特則 ” には、以下のように定められています。
基礎地盤から堤頂までの高さが15m以上のものをダムという。
15m未満のものは、堰(せき)か水門ということになります。
では、次に堰(せき)と水門の違いは何でしょうか?
堰と水門の違い
堰とは何か?
堰(せき)とは、河川の流水を制御するために河川を横断する形で設けられているダム以外の構造物で堤防の機能をもたないものをいう。
出典:Wikipedia
水門とは何か?
水門(すいもん)とは、河川または水路を横断する形で設けられる流水を制御するための構造物のうち河川堤防を分断する形で設置されるもの[1]。河口付近を含む河川や運河、用水路、湖沼、貯水池、港湾などに設けられる。
出典:Wikipedia
堰は、通常はゲートが閉じていて川の水を貯めて、洪水の時にゲートを開けて水量を調整します。
水門は、通常はゲートが開いていますが、洪水になるとゲートを閉めて水量を少なくして下流への流水を調節します。
そして、堰には堤防の機能はありませんが、水門には堤防の機能もあります。
見た目で判断するのは難しい
ダム、堰、水門の違いはこれで分かりましたが、これらを見た目で判断するのは難しいところです。
また、現在の河川法が制定される以前に建設されたダムについては、堤高が15m未満のものでもダムという名前のものもあります。
堰は通常はゲートが閉じていて洪水の時にゲートを開けて水量を調節すると前述しましたが、利根河口堰では、満潮時に海水が遡上するのを防ぐ役割もあります。
まとめ
ダム、堰、水門、これらをそれぞれ判断するには、まずは堤高でダムかそれ以外か、次にその時の状況(洪水かどうか、流水量など)でゲートが開いているかどうかで堰か水門か判断できるといえます。
現在の河川法以前に建設されたダムについては15m未満でもダムと呼ぶところもあったりと例外もあるので調べる必要があります。