国産の純電気自動車(EV)
2020年1月~12月までの1年間の新車販売台数は、普通乗用車が135万6,163台、小型乗用車が112万2,669台、軽自動車が171万8,088台で、全車両合計すると419万6,920台。うち純電気自動車(EV)の販売台数は14,604台で、全体のなんと0.3%程度ととどまっています。(情報ソース:一般社団法人日本自動車販売協会連合会)
国内勢では、日産が圧倒的で11,286台、2位はホンダが427台、3位は三菱の77台となっています。輸入車は合計2,812台となっています。
2020年度全世界で300万台の新車純電気自動車(EV)が販売されうち140万台がヨーロッパ、120万台が中国、29.5万台が米国での販売台数となっています。ヨーロッパの中でもドイツ39.5万台、フランス18.5万台とEVの販売だ数は年々増加しています。
1万4,604台と低迷している日本ですが、今後EVシフトを表明している中、2020年は日産、ホンダ、三菱、そして僅かにマツダという状況です。他社はEVを一台も販売していないという結果です。
この記事で紹介するのは2021年8月現在、国内で純電気自動車(EV)を販売しているメーカーとその車種です。購入・予約が開始されているものだけを紹介しており、発売が発表されているものなどに関しては取り扱っていません。
電気自動車の性能比較に重要なEPA電費
自動車を購入するときには燃費を比較します。ガソリン車は1L当たりに何キロ進むことが出来るかを表したのが燃費になりますが、電気自動車の場合は「電費(でんぴ)」になります。よくあるメーカーのカタログ値はあてにならないといわれますが、電気自動車にもそのあてにならない「WLTC」という電費の指標があります。多くの場合、自動車同士の性能比較としてつかわれ、実際の電費はEPAで考える必要があります。
燃費や電費については以下の記事をご覧ください。
個々で紹介するEPA値はそれぞれの車を購入した人達からの情報を当サイトで集め、推定値として紹介しています。
NISSAN(日産)
日産は国内でも電気自動車に最も力を入れて早い段階から取り組んでいたメーカーです。
NISSAN LEAF (日産リーフ)
2010年から一般向けに販売してるコンパクトカーで、当初日本と米国で販売を開始し、現在ではヨーロッパ、中国などにも輸出されています。現在最も売れている国産の電気自動車です。
型式:AUTECH
- バッテリー容量:40kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):314km
- 航続距離(EPA):246 km
型式:NISMO
- バッテリー容量:40kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):281km
- 航続距離(EPA):213 km
型式:e+
- バッテリー容量:62kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):458km
- 航続距離(EPA):364km
型式:e+AUTECH
- バッテリー容量:62kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):450km
- 航続距離(EPA):355km
NISSAN ARIYA(日産アリア)
2021年に発売予定のSUV電気自動車。2WD、4WDの駆動方式が選べ、4種類のモデルが用意されていて、満充電で最大610kmの航続距離(WLTC)を実現しています。※日本では2021年8月現在予約を開始。
型式:B6
- バッテリー容量:66kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):450km
- 航続距離(EPA):不明
型式:B9
- バッテリー容量:91kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):610km
- 航続距離(EPA):不明
型式:B6 e-4ORCE
- バッテリー容量:66kWh
- 駆動方式:4WD
- 航続距離(WLTC):430km
- 航続距離(EPA):不明
型式:B9 e-4ORCE
- バッテリー容量:91kWh
- 駆動方式:4WD
- 航続距離(WLTC):580km
- 航続距離(EPA):不明
HONDA(ホンダ)
Honda e (ホンダ・イー)
Hondaが2020年に発売を開始した初の量産電気自動車「Honda e (ホンダ・イー)」は小型の街乗り仕様。ちょっと買い物に行く際など、日常の移動手段に便利なコンパクトサイズの電気自動車です。
型式:Honda e <RR>
- バッテリー容量:35.5kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):283km
- 航続距離(EPA):195~210 km
型式:Honda e Advance <RR>
- バッテリー容量:35.5kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):259km
- 航続距離(EPA):175~190 km
LEXUS (レクサス)
トヨタの高級車ブランド「レクサス」から発売されているUX300e。レクサスならではの高級感ある車内と、トヨタのハイブリット(HV)技術から培った技術を活用したBEV(Battery Electric Vehicle : バッテリー電気自動車)でトヨタ系ブランド初の一般向け電気自動車をリリースしました。
LEXUS UX300e
型式:UX300e Version L(FF)
- バッテリー容量:54.4kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):367km
- 航続距離(EPA):281 km
型式:UX300e Version C(FF)
- バッテリー容量:54.4kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):367km
- 航続距離(EPA):281 km
MAZDA (マツダ)
同型のハイブリット車で培ったマツダの電動化技術から生まれた、完全電気自動車技術「e-SKY ACTIV」を搭載し、なめらかで上質な乗り心地を再現したマツダ初のEV。
MX-30 EV model
型式:MX-30 EV model
- バッテリー容量:35.5kWh
- 駆動方式:2WD
- 航続距離(WLTC):256km
- 航続距離(EPA):178 km
日本EV市場の動向
日本は国内で販売する新車自動車を2035年までに100%電動車にすると言っています。これは2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする取り組みである「カーボンニュートラル」を実現するために達成しなければならない取り組みの1つになっています。
しかしながら日本が意味する「電動車」は海外のものと違い、完全電気自動車だけでなく、ハイブリット車(HV)、プラグインハイブリット車(PHV)、燃料電池車(FCV)などが含まれ、完全に脱化石燃料となっているわけではありません。
日本は低燃費車としてトヨタがハイブリット技術を核とした自動車販売を行ってきました。この波は世界にも波及しており、ハイブリット技術が蓄積され洗練されてきたトヨタの独走にみられましたが、世界的な環境問題への取り組みが加速し、トヨタがハイブリット車に磨きをかけているうちにアメリカではテスラが、中国では数多くのEVベンチャー企業が産声を上げ、完全電気自動車が中心になってきています。
現在トヨタブランドでの電気自動車は発売されていない状況ですが、世界がこぞってEV化を進める中、一人だけ水素というわけにはいかないようです。2021年4月に発表しているEVシリーズTOYOTA bZでいよいよEV市場に乗り込むわけですが、果たして先に進んでしまっている海外勢を脅かすようなサプライズニュースがでるのか、今後の動向に注目です。