カリフォルニア州が2035年ガソリン車の新車販売を禁止・電気自動車の今後に期待
アメリカ国内の新車販売数の内の10%以上を占めているカリフォルニア州は、2035年までに段階を経てガソリン車の販売を禁止すると発表しました。
また、中型、大型車両についても2045年までに「可能であれば」ゼロエミッションにするように命じました。
ゼロエミッション車とは、搭載された動力源から健康および環境に有害な二酸化炭素や窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素、粒子状物質などの大気汚染物質や温室効果ガスを含む排気ガスを排出しない車両である。電気自動車や燃料電池車、自転車、電動自転車、ソープボックスなどが該当する。
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この政策が実現すれば、カリフォルニア州全体の温室効果ガス排出量が35%以上削減できるとのこと。
アメリカは現在、西部で山火事や自動車の排気ガスなどによる大気汚染問題が深刻な状況です。この政策が実現すれば35%もの温室効果ガスの排出量を減らすことが出来、これは素晴らしい成果だといえます。
しかし、これに対して「そんな高価な車を買う余裕のない人はどうしたら良いの?馬で通勤するのか?」という意見や、「カリフォルニアは正気を失った。カリフォルニアは2035年にはなくなっているだろう」という意見、他には「高価な車が買えない人はバイクに切り替える人が増えていて交通事故が増加している」という意見もありました。
しかし、総督府は「ガソリン車の保有や中古車の販売は今まで通り行っても違法ではない」とし、「電気自動車の先行投資コストは数年で普通の自動車と同じくらいになり、電気自動車を保有するコストも普通の自動車よりも安くなる」と発表しています。
カリフォルニア州自動車予測によると、2019年第2四半期の新車上半期の売上高は5.6%減、軽トラックの売上高は1.1%減、乗用車の売上高は10.8%減でした。
一方で、中古車販売は好調で、5%以上増加しています。
新車販売が減少傾向な中、電気自動車やハイブリッド車の販売は、2019年上半期の合計市場シェアは13%、ハイブリッド車は5.2%と増加してきています。
2035年にはガソリン車と同じような価格で購入出来るとしていますが、果たして2035年までに電気自動車が一般的となるのでしょうか。
【注目はテスラ】テスラの人気
カリフォルニア州の乗用車、軽トラックの新規登録台数については、トヨタ、ホンダ、フォードがトップ3なのに対しテスラは6番目ですが、BMW、フォルクスワーゲン、マツダ、スバルなどの有名メーカーよりも販売台数が伸びています。しかし、モデル別でみると、テスラは3位となっていて人気が高いのが分かります。
新バッテリーセル「4680」でコスト減を実現
テスラのCEOであるElon Muskとテクノロジー担当副社長のDrew Baglinoは、新しいバッテリーセル「4680」 を発表しました。
このバッテリーセルは、幅46mm、長さ80mm、エネルギー密度5倍、範囲を16%拡大し、出力は6倍向上します。
このバッテリーセルにより、製造効率が向上し、キロワット時あたりのコストが削減され、充電時間も短縮できるといいます。
製造効率が向上して、kWhあたりの価格が14%削減し、大量生産することが実現できれば、ガソリン車と同じくらいの価格になり購入しやすくなります。
しかし、現段階では製造能力がそこまで達しておらず、これには約1年かかると言われています。
地球温暖化問題からみる電気自動車への期待
ガソリン車の排気ガスが大気を汚染し、地球温暖化となり、異常な気候で山火事や災害などを引き起こしているという問題については誰もが認識している事でしょう。
しかしその一方で、「だから電気自動車に切り替えよう!」と多くの人が実行できないのも現状だと思います。
車が買えないからバイクに移行して、それが交通事故増加に繋がるのだとしたら、それもまた問題が増えることになります。
しかし、今回ご紹介したテスラのように、新しい技術の進歩により低コストが実現し、ガソリン車と同じくらいの価格で電気自動車を購入できるとしたら、2035年にカリフォルニアでガソリン車が販売禁止と発表されましたが、他の州や国でも同じような政策を打ち出し、世界中で当たり前のようになれば確実に地球温暖化の改善ができるでしょう。電気自動車の今後に期待です。
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